シンプルイズベスト マルスのすゝめ

今回はマルスの「シンプルさ」の魅力について書いていきます。

ルキナにも通じる話かもしれない。



スマブラにおいて、キャラの魅力は「強いから」だけじゃないわけです。

まあ見た目がかっこいいとか原作が好きとかもあるかもだけど、一番の魅力は「プレイスタイルが違う」こと、キャラクターごとに戦術の個性があるわけです。今回はマルスというキャラの戦法の魅力について書きます。なぜマルスを取り上げたか。僕が一番好きなキャラだからです。




マルスというキャラを説明するときに、よく「リーチが長い」と言われますが、もはやスマブラSPにおいてそれはあながち正しいとは言えなくなっております。

理由は以下の三点。

・超リーチキャラの参戦

・飛び道具の強化

・突進技の強化

このへんです。

ひとつめ、そもそもリーチがもっと長いキャラがけっこういるわけです。ミェンミェン、セフィロス、シモリヒ、ベレトスなど。あと地味なところでホムラ、リドリー、シュルクなど。クラウドまで来てやっとリーチ同じかなってくらいである。でまあこのへんにけっこう強いキャラがいっぱいいる。普通にやっててリーチ負けする機会がそこそこあるわけです。

次に飛び道具が全体的に強化された。スマブラDXのころの飛び道具はファルコフォックスのブラスターとピーチのカブくらいだったのが、今やブレイズエンド、爆炎オート照準、シャドウフレア、ブーメラン、リモコンバクダン、矢、炎の矢、ウルフの10%ブラスター、強くなったチャージショット系各種、はにわ、パチンコ、PKファイアー、そして一番きついエイハ。などなど書ききれないくらいある。

これらが差し合いで平気で飛び交っている。オンラインのスマメイトだとなおさらである。飛び道具のないキャラのほうが少ないくらいである。ケンとテリーにすら波動拳とパワーウェイブがあって微妙に面倒くさい。何ならヤバイところだとダックハントとかいうほぼ飛び道具だけで差し合いをやってくるキャラもいる。

こうなるとちょっとくらいリーチが長くてもあんまり関係ないということになる。接近すればリーチが生きてくるが、もはや「リーチを生かして近づかれないように」ではなくて「どうにかして近づこう」という場面のほうが多い。

最後に、なんか突進技も全体的に強化された気がする。ファルコンキックって昔こんなに飛んでたっけとか、ウルフのDAがきついとかジョーカーのDAがきついとか、各種スライディングがきついとか、マルスの剣より遠い距離から突っ込んでくる系の強い技がいっぱいある。




そんなところで、もはや単にリーチが長いキャラではなくなってしまった。じゃあマルスの特性は何なのか? 言い方がちょっと変わるだけだ。「剣の先端の間合いではすこぶる有利だが、他の間合いでは全部弱いキャラ」ということになると思う。


マルスの技構成をざっと思い浮かべてみる。横強、上強、空前、どれを見ても実はだいたい同じ様な特性の技ばかりである。どれも「発生が早く」「扇状の判定で」「威力は単発にしては高めで」「後隙はあり」「リーチは剣の長さまで」、だいたい同じである。強攻撃も空中攻撃も、何なら必殺技も、だいたい似たような性質をしている。違うのは当たった後の展開とか吹っ飛ばし方とか、あと切る方向が違うくらい。

マルスとは、言ってみればジョーカーの空後の長い版を地上でも空中でも好きな方向に出せる、というようなキャラクターである。その代わりに突進技もなければ飛び道具もない。


でだ。これこそがマルスの魅力なわけです。このシンプルさ。言ってしまえば技が一種類しかないようなものなのである。

何が良いか。戦術を考えるのが非常に簡単になる。


例えばファルコ対ルフレ。自分がファルコを使ってるとする。遠距離中距離での選択肢がいっぱいある。ブラスター、リフレクター、ビジョン、そして距離を詰める。ルフレ側も選択肢がいっぱいある。サンダー、エルサンダー、ギガサンダー、ギガファイアー、そして間合いを詰める、ジャンプで待つなど。そしてそれらの組み合わせ方、タイミングのずらし方でバリエーションを出せるから、一場面における選択肢の数はそれぞれ10個以上ある。そして10個以上ある選択肢の組み合わせ方となると、例えばブラスターとサンダーが噛み合ったらどうなるか、ちょっとブラスターが早かったらどうなるかとか、距離を詰めてるときにエルサンダーを撃たれたらどの距離まで見てからリフレクターを貼れるかとか、その時反射のリターンは何ダメージかとか、組み合わせを考えると100通り以上になって死ぬほど大変である。というか考えられない。ノリでやるしかない。つまり技が多いほど差し合いが複雑になる。

ところがマルス対ルフレになると話が急に単純になる。ルフレ側の選択肢は変わらないが、マルス側の選択肢が「距離を詰める」の一個だけになる。滑り横強とかはリスキーなのと、そんなことしなくて寄ってしまえれば確実にリターンが取れるのでただ距離を詰めるだけで良い。こうなるとお互いの行動の組み合わせが圧倒的に少なくなる。組み合わせというか、マルス側はずっと様子見したり近づいてるだけで技振ってないんだから、「ルフレの技をどう避けて近づくか」だけになる。ルフレの技の数だけ考えれば良いことになる。これなら全部検討できそうだ。


という感じです。

剣の間合いに入って剣を振る、それだけで戦術が完結してしまえる。後はどうやって間合いを管理するかを考えればよい。全キャラだいたいそんな感じでいけるシンプルさがマルスの魅力です。


ところで「本当に剣の間合いを作るだけでリターンが取れるのか」という疑いもあるかもしれないが、そこはたぶんなんとかなる。ここでマルスの技特性が効いてくるわけです。

地上も空中も上下左右どこにでも、同じように発生の早い剣を振ることができるんだから、一度間合いに入れば相手がどこへ逃げて何をしていようとも、そこに噛み合う技がだいたいある。後ろに回避されたら横強、飛んだら空上、飛んで後方に逃げたら空後、などなど。これがファルコだと斜め前ちょい遠目に逃げられると空前が届かねえとかいう悩みが起きたり、リンクだと目の前でジャンプされても見てから空前が間に合わないとかあるんだけど、マルスならどこに相手がいても見てから合わせられる。そうだ、「見てから技を振れる」のも良いところなのだ。書き忘れてたが。発生の早さ。


そして個人的に気に入っているNBの存在。ガードを割ることができる。

ガードの耐久値は最大42%くらい。NBは通常のダメージとは別で固定のガード削り値が設定されていて、最大タメは確定でブレイク、最大タメ未満だとだいたい35%くらい削る。タメなしでもほぼブレイク寸前である。そして割れればだいたい1ストック飛ばせる。ガードに対してこんなにリターンが取れる技はなかなかないわけです。

他の剣技が「あらゆる技を潰せてガードも一方的に削れるが、とはいえガードされるとダメージが入らない」という特性を持っているので、そこにこのNBがあると一気にガードへの圧力が上がる。ガードに強い剣士キャラ。それはつまり、ガードを強要できる場面での期待値が高いということです。相手は一回ガードしただけでもうガードを張れなくなって無理に逃げたり暴れたりして剣を食らったり、もしくは勇気を出してガードを張ったら割られて1スト失ったりする。こういうわけで、他の剣士キャラよりも一回の接近の期待値が高いわけです。たぶん。つまり「剣の間合いを作る」ことのリターンが高い。



書き疲れて眠くなったのでこのへんで。

マルスはいいぞ。かっこいいぞ。強いかどうかは知らないが。


2021年9月25日 04時53分に投稿

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