前回の続きから。スマブラとはほとんど関係ないが、もしかしたらスマブラにも通じる考えがあるかもしれない。
1、2年後にスパⅣシリーズに入り、使用キャラはやっぱりダルシム。
ゲームシステムやダルシムの独特な操作法に慣れ始め、勝ち癖をつけ始めてきた。
バランス調整により一部、弱体化されはしたが強化も受け、追い風になっていると思ったのだが……
ダルシムさんもしかして弱い・・・?
知らない人のために簡単に説明するが、このゲームのシステム要素のひとつとしてセービングというのがある。
特定のボタンを押しっぱにすると、その場に硬直し1段階から3段階まで溜め、三段階まで溜めて開放すると相手のガードを無視したガー不の単発技を出すことができる。まあ、溜めてる最中はスキだらけのため、三段階目の開放は試合中にはほとんどやらないが。
使うメリットとしては、溜めてる最中に相手の攻撃を一発だけ受け流すことができ、前ステで間合いを詰めたりとか、相手の攻めやダウンからの起き攻めを嫌がってバクステで逃げたりとかすることができる。あと昇竜拳などの硬直の長い技を出した時にも、4本あるうちの2本ゲージを吐ければ、その硬直の出始めをキャンセルでき、追撃したりとか、後ろに下がったりすることができる。
その時の状況次第にもよるため、これのおかげで戦術の幅が広まった。
これをセービングキャンセル。通称セビキャンと言われる。
そしてこのゲームシリーズで強キャラに上がる条件は以下の要素が挙げられる。
①セビキャンシステムの恩恵を受けていること。これは大前提
②差し込む・差し合い能力が高いキャラ
③ダウンさせた後の表裏、見えない起き攻めを持っていること
④上からの強襲持ち。対空を迷わせる技を持っていること
⑤サガット・アドン・エレナ・ジュリ・セスなど、上に書いてる条件含めて、独自性の高いキャラパワー持ったキャラ
話をダルシムさんに戻すのだが、まず①についてだがこの恩恵を最低限、受けてはいるのだがそれ以上は望めなかった。なぜなら昇竜拳を持っていないから
②に関してはもう論外。AE2011に入ってから差し合いに優れた技を強化されるが、なんでダルシムで攻めに行かなきゃならないんだよと。差し返しやコンボの成功しやすさ、画面端に追い詰めた時の固めには機能したが、そもそもダルシム使いはそんな強化は望んでない。
③の恩恵は受けている。これがなかったらダンにすら劣る最弱キャラ
④白目
⑤独自性はある・・・・・・・・はい。
当時の自分は、ダルシムだけ出ているゲームを間違えてるんじゃないか?と思うくらいにこのキャラの性能に疑問視していた。使い手が極端に少なく、プレイヤーの下位中堅層に上位層がまだまだ成長途中の段階で、バレていない今が強いだけなんじゃないか?と。
この考えは、スマブラにも通じるところがある。
後々、大丈夫なのか?と思っていたが、自分のプレイングもまだまだ未熟だったため、黙々と腕を磨くことに。
だが、このキャラ・・・やばいんじゃね?と思うような相性の悪いキャラもどんどん増え始める。このゲームシステムに置いてかれて逆風も吹き始めていたが、それでも次の調整で大きな武器を貰えることに期待して、黙々と実力をつけてきた。
スパⅣシリーズに入ってから本当に楽しかった。いろんな格ゲーをやってきたが、あそこまで熱中することはもうないだろうと思うくらいに。
悪夢のAE2011と最悪のバランス調整が入るまでは。
スパⅣアーケードエディション。通称スパⅣAE2011
皮肉を込めた言い方をすると、チャイニーズエディション。
ユンとヤンが参戦し、戦いはますます激化していく。この2キャラは相当なイカレだった。
当時の自分は、新キャラなんてどうでもよくて、とにかくダルシムの調整内容が見たくて、ゲーセンに置かれてた新月号のゲーム通信雑誌を読んだ。
・・・・・・・・は?
あの調整内容は、今でも忘れられない。
一部の技の、操作性のストレスを軽減した。
その代わり、全体的に技の火力・特に生命線だったヨガインフェルノのダメージを下げられたのだ。
なんで?
なんでや?
ダルシムは環境上位にいるわけでもなく、むしろその逆。中堅の下のランクにいるキャラだったのに、なんでここまで弱くされなきゃいけなかったのか・・・?
ユンヤンという当時、2:8の相性をつけられた最悪の敵が参戦して、プレイヤーの実力も上がっていき、それに伴って不利キャラがどんどん増えていくこの時代に、ダルシムが一体なにをしたというのだ・・・!
火力はダルシムの生命線なんだぞ!
AE2011は本当に悪夢だった。だが、ダルシムを使うと決めた以上はひたすら黙々と頑張っていた。現状を嘆いてもどうにもならないからだ。それ以前に自分の実力がまだまだ浅かった。
一応、強化も貰えはしたので、未来の調整に対して前向きに行くことにした。
ユンヤンに上から踏まれ、ぐっちゃぐちゃにされ、キャミィに上から踏まれう…ふぅ。まことにチェストされ、アドンにジャガキジャガキされ、ジュリに風水され、セスのわからん殺しにつきあわされ、ルーファスに至っては意味不明すぎるし、アベルに択がひとつ無いじゃんけんに付き合わされ、フェイロンにハイフォイハイされ、コーディーに粘着されて、もう散々だった。
アドンの相性に関しては諸説あったらしいが、最後の最後はよくわからなかった。私は、アドン戦には慣れていたが、ダルシム側やアドン側に有利不利を唱える人が多く賛否両論の声が多かったためである。
そしてこの頃から。
キャラ調整・バランス調整について、自分の考えが固まるようになる。
キャラ調整は上に近づけるための全体的な強化。強化をすることこそが重要で、最も正しいことであると。
長くやっていくなら、全体的にプレイヤーの実力がまだまだ浅く、キャラパワーを存分に引き出せていない状態で、どのキャラが上に立つか明確ではない段階で、既存の強キャラ達を下手に弱体化させるべきではないと。そう考えるようになる。
だってそうだろう?既存の強キャラ達を弱体化させてしまったり、碌な強化も与えない状態で新キャラが参戦して、それがあまりにも強すぎるキャラだったら一体、だれがそいつらを止めるというのだ?
それに、そんな強いキャラ達を後になって出すなら、今まで弱体化された強キャラ達があまりにも不幸なことになる。
キャラバランスというのは、見方を変えると勢力図。相関図とも見れるのだ。
ユンヤンはあまりにも強すぎて、多くのプレイヤー・他キャラ使いから批判され反感を買い、調整班を糾弾した。後にこの2キャラは、AE2012のキャラ調整で粛清を受けることになる。
まあ……うん、当たり前。あれはさすがの私も擁護できん。
悪夢と激動のAE2011が終わり、AE2012に移行する。そしていろいろ言われながらも、なんだかんだ本当に楽しかったスパⅣシリーズもここで終わるのだ。
今、思うとアドンってホントすごいよな。後から過大評価されているという声もあり私もそう思っていたが、ウルⅣの最後までこいつは強キャラだった。逃げ切りコースというやつだ。
恐らく気づいている人は気づいていたのだろうな。
続く
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