スマメイトにおける"最弱"と、地元における"最強"。

意気揚々と始めたスマメイトで、とうとうレートが1200台まで到達した。僕の魂キャラ、アイクのキャラ別ランキングで最下位の数値だ。才能がない、不利キャラが多い。そんな恨み言は一度置いといて、何故僕が1200まで落ちたのか──つまり、勝率が5割を切っているのに、まだ尚100戦近い対戦数を重ねているのかの話をしよう。


僕はつい最近まで、というか今も、創作サイト"SCP財団"で活動をしている執筆者の一人だ。今は少しスマブラに力を入れているけれど、ここ数年まではほとんど中心メンバーに近い頻度で記事を読み、投稿して、結果創作サイト内で知り合いも多く出来た。


人が集まればゲームをするのは必然で、"SCP財団"は年に3度は賞金の出ないコンテストを開催する闘争に満ちたサイトで、スマブラは日本で最も多くの人が触った対戦ゲームだ。"SCP財団"のコミュニティにスマブラオフ大会のスタッフがいたこともあって、数年前から、創作コミュニティのメンバーに限定された大会が開かれた。


その大会では、僕は"上位勢"だった。16人規模のダブルエリミネーション。そもそもVIPに行っているのは僕含め数人。小さく、競技には遠く及ばない大会だった。けれど、熱は拙くても熱で。僕はグランドファイナル、リセット、2-3ラストストックで敗北したその大会によって、"競技としての"スマブラを意識するようになった。僕が感じたこの熱の最果てに、何があるのか見たくて。


https://www.youtube.com/live/qEazQVTFW3Q?si=exZNT_kDvnhF6iG_


だから僕は当時、初参加のオフ大会、西武撃に飛び込んで。


一勝二敗。表は世界最強のデイジーに負け、裏はガードを使わないフォックスに負けた。何も出来ずに。


地元たるコミュニティで、僕は最強のアイクだった。僕のアイクに勝てるように新しいキャラクターを練習された。そのキャラに対応するために、キャラ対をどうやってるのか動画も見た。そうやって身内の中で、対戦ゲームの楽しさをたっぷり浴びて、そしてオフ大会では当然すんなり負けた。


地元最強は、所詮地元最強でしかない。何なら、クマメイトの段位における"地元最強"には、僕の戦闘力は遠く及ばない。

それでも、ここ一年程、オフ大会には多く参加した。競技スマブラ最前線の熱を見るのは好きだったから、比重としては観戦を重めに。篝火九龍では現地観戦で、あcola選手の勝利に立ち上がって叫んだりもした。楽しくはあった。一歩ずつ上手くなっている気もした。けれど、実際僕にとってメインの戦場はSCP財団での創作で、スタンスとしては蚊帳の外から見ているだけの観戦勢と思っていた。


今年の初め。レッドブルゲーミングスフィアを借りて行われた、SCP財団のコミュニティ大会に、ある一人の"上位勢"がやってきた。僕たちのような小さなコミュニティの蛙ではなく、スマメイトで膨大な対戦数を積んだ最強のカービィ。わいあいという名前のそのプレイヤーは、当然のようにメインを用いずWFまで上がってきて、サブキャラクターをどうにか倒した後──1Pカラーのカービィは、GFにやってきた。

結果、1-6。相性差でどうにか取った一本に意味があると信じたいけれど、その差は明らかで、会場の全員が納得していた。


https://www.youtube.com/live/_6F_MGm3UjA?si=WGu3gWIaz0YVGduH


費やしてきた時間が、努力が違いすぎるから、僕は捨て台詞として「創作コミュニティで会おう」と吐いた。スマブラでは負けたけれど、僕の方が熱量を費やした場所なら負けやしないと、負け惜しみでしかない言葉を。


そうしたら。その大会の少し後に開かれた、このコミュニティでの大会で。彼は俺の負け惜しみに応えるように、予選を突破する。その界隈では唯一のトーナメント形式で、彼は名のある著者を超えて予選を抜けてきた。──結局、順位で勝ったのは僕だったけれど、彼は真摯に、俺の負け惜しみに応えた。僕の"地元"に、やってきてくれた。


"SCP財団"という創作コミュニティの観戦勢だった彼が、その柵を越えて、真剣に向き合ってくれたことが、そのコミュニティにいた僕には嬉しくて──そして、スマブラの観戦勢としての僕には、眩しくて。


だから僕は、今、ありえない連敗数を重ねながら、スマメイトを続けている。かつての"地元最強アイク"は、"スマメイト最弱アイク"として。競技シーンの最後尾に立っている。


恩返しとしては自分勝手で、自己実現としては遅すぎる。けれど、それでいいのだと思う。トーナメントへの憧憬に理由なんてない。咲きたいと思っちまったのなら、今、せめて蕾は握りしめておきたい。


次の大会は篝火#13。やればやるほど、差は明確で、遠い。

けれど、まだ走れる。そんな矜持で、今日も同レート帯の誰かに、数字をいくらか献上する。クソが。やめてやろうかな。


追伸というか、蛇足: なんか今期普通に同コミュニティの身内から-60くらい吸われてるから普通に地元最強でもないんだけど俺。タイトル変えなきゃダメ?


2025年4月4日 05時42分に投稿

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