その日は学校が休みで、特に何もすることがなかったので家にいた。
しばらくすると、母さんからちょっと手伝ってくれないかと言われ、今できない、とても忙しいことを伝えたら、
「タラバガニ届いたのに、あんたはなしね」と言われたので、何でオレがとぶつぶついいながらもキッチンへと向かった。
まあ、タラバガニはまだいい。色々と文句をつづったけれど、オレは文句を言うのが趣味みたいなものなので実際の所はそこまでいやではなかったし、カニがめちゃくちゃ大好きだったので喜んでやった。
ただし、毛ガニ、お前はダメだ。カニをあまり食べない人にはわからないと思うが、とにかく手が痛くなる。
おまえはもう死んでいるのだからおとなしく喰われればいいのに、死んでもなお毛という鎧でオレたちの手を痛めつけてくるとんでもないやつだ。
おまけに結構なリスクを冒したにも関わらず身が少ない。本当に少ない。プリンのうたうみたいもんだよ(使い手の自虐)
話がそれてしまったが、結局母さんと2人でカニの身をとることになった。
そういえば、弟も家にいたのに何であいつは手伝わないのかと思ったとき、誰かが家にきた。
弟の友達が2人、どうやらうちでゲームして遊ぶらしい。
うちは基本的に置き型ゲーム機と呼ばれるものがリビングにあり、またモニターも家の中ではリビングが一番大きいためだいたいそこでゲームをしている。
ちなみにオンラインでゲームをするときは、近くにあるルーターにその都度LANケーブルを刺してプレイするというスタイルをとっている。実際、オレも弟も友達やひとりで遊ぶことが多いためそこまでオンラインでゲームをしない。つまり、何が言いたいかと言うと…
スマメイトのみなさん安心してください、光有線ですよ。
(露骨な光有線アピール。…いや、光ということまではこの文章ではアピールできない…。と、とにかく光なんです、ビューーーーーンって感じの光なんですぅぅぅ)
とにかく、弟と他友達2人がリビングにきてWiiUに電源を入れた。何をやるのだろうと見ていると……スマブラだ!
何だろうこの気持ちは。別にスマブラをやりたいなんてこれっぽっちも思ってなかったが、急に画面を見せられると無性にやりたくなってきた。しかし今は、目の前のカニに集中せねばならない。
まあいい。カニの殻をただ剥くのも面白くない。だったら、小学生たちの幼稚なスマブラでもつまみに剥いてやろうじゃないかと。
そうして、小学生スマブラ―の大乱闘が始まった。
まあ予想はしていたけど、ぶっぱ、アピール、スマッシュ最大ホールドなどお手本のような小学生スマブラを見させてもらった。
しかも、3人で対戦しているため必然的に2人が対戦、もうひとりが高みの見物そしておいしいとこをもっていくという構図も想定内だ。
しばらく見ていると、弟の友達のひとりが常に自分が狙われていることに関して異議を申し立てていた。
申し訳ないが、彼だけは別格にスマブラを知らないひとりで、リザードンのフレアドライブでとにかく荒らし、また復帰時も上Bを使わずフレアドライブで復帰し自滅していくというニワカスマブラ―であることは誰の目から見ても間違いはなかった。すると、弟がカニの殻を剥いているオレに対して「オレら3人対兄ちゃんでスマブラやらない?」と誘ってきた。
オレはそっと持っているカニの爪を弟へつきだしたv[゚∀゚]V
母さんに事情を説明し、オレはキレイキレイで入念に手についたカニ臭を洗い流した。そして、愛用しているピーチカラーのリモコンを手に取り、小学生の輪の中に加わり慣れた手つきでキーコンを設定し始めた。
しかしチーム戦はチーム戦でも、ハンデなし味方攻撃なしの1on3。前に友達同士で1on3をやったとき、3P側でプレイしていたため、1P側になるのは今回が初めてだった。(何か卑猥な表現)
そしてキーコンの設定が終わり、キャラ選択の場面でオレは悩んでいた。
ピーチやロゼチコやプリンを主に使っているオレとしては、彼女らのような女々しいキャラではなく強そうでかっこいいキャラを選びたいと思ったからだ。もちろん、勝つためにはいつも使用しているキャラを使うのがベストだが、そこはオレのプライドが許さなかった。
しかし、他に使えそうなキャラがいない…悩んだ挙句、オレはひとりの戦士に声をかけることにした。
オレ「お前の出番だ」
??「!?」
オレ「力を貸してほしい」
??「で、でも、僕をあなたは使えないはずでは?」
オレ「ピーチやプリンだと、ルックス的に小学生の前では恥じらいがある。だから頼む」
??「し、しかし…」
オレ「頼むよ。おまえはパワーキャラだし、ルックスも強そうだし、何よりDLCキャラだろ?」
??「ですが…」
オレ「買ったばっかりだから、自慢したい気持ちもあるんだ…!頼むぜ…」
オレ「ルドウィッグ」
ロイ「イーヤッ!」
ロイ「ちがうよ、名前まちがってるよ!確かにコクッパの一部とかぶってるけど、僕はロイだ!!」
オレ「すまなロイ。頼む力を貸してくれ」
ロイ「もっと頼み方があるんじゃないですか?何ですか、すまなロイって」
オレ「時間がないんだ。おまえでいかせてもらう」
ロイ「先ほども言いましたが、あなたは僕をほとんど使ったことがないのでは?こないだなんて、僕の復帰距離みてカスとか言ってましたけど」
オレ「すまなロイ、ピーチやプリンのように復帰にあまり難がないキャラを使っていたものでつい…」
ロイ「それ、いつまで引っ張るつもりですか。……でもしかたありませんね、協力しましょう」
オレ「ありがとう!さっそくだが今回のルールを説明する。敵は3人、おまえは1人、以上だ」
ロイ「えぇ!?僕ひとりですか?そんなの無理ですよ!」
オレ「大丈夫だ」
ロイ「大丈夫じゃないです!知ってますか僕のキャラランクを?DLCというのにかなり下のランクなんですよ!?おまけにマルスのモブキャラとまで言われ、DLCキャラなのにこれといった強みがなく、僕は、僕は……」
ベシッ
ロイ「!」
オレ「……いい加減にしろよ」
ロイ「…」
オレ「じゃあさ、オレの450円返してくれよ。あのとき学校祭で買う予定だった、おっぱい型シルクハットおっぱいハット(税込824円)を我慢した450円返してくれよ!おっぱいかぶらせてくれよ!」
ロイ「…」
オレ「…」
ロイ「…」
オレ「悪い、ちょっと言い過ぎた…」
ロイ「……やります」
オレ「え?」
ロイ「僕やります!」
オレ「ほ、本当か!?」
ロイ「はい。僕もDLCキャラのはしくれです。せっかくスマブラに参戦できたんです、僕やります!」
オレ「おぉ、それは助かる!」
ロイ「守るべき者のために、負けられない!」
オレ「そのセリフがスマブラでも聞けることを願うぞ」
ロイ「はい!」
オレ「よし、そうと決まれば作戦をねろう。相手は小学生だが3人いるからな。油断はできない」
ロイ「わかりました。では、対戦相手の特徴を教えてください」
オレ「うむ。まず一人目はうちの弟だ。使用キャラはゼロスーツサムス」
ロイ「ゼロサム!?いきなり代表的な強キャラじゃないですか」
オレ「まあ、待て。うろたえるな。このゼロサムにはいくつかの特徴がある。それさえ押さえておけばなんてことない」
ロイ「と、特徴とはいったい?」
オレ「まず、99%の確率でつかみを使わない」
ロイ「え?」
オレ「だからやつに対してはガード安定だ、覚えておけ」
ロイ「ゼロサムは、つかみからの展開がかなりおいしいキャラなのに一体どうして!?」
オレ「わからない。なぜかうちの弟はつかみをまったく使わない。そして一番よく使うのは上スマだ」
ロイ「よりによって、一番使い道がないであろう上スマを使うなんて…」
オレ「あと……横回避がとてつもなく多い」
ロイ「!!」
オレ「コロコロサムスならぬ、コロコロゼロサムだ」
ロイ「何でしょう。名前だけ聞くとすごく弱そうです…」
オレ「とにかくこのゼロサムはあまり強くないから気にするな、そしてガード安定」
ロイ「わ、わかりました」
オレ「次にリザードンだ」
ロイ「リザードン…」
オレ「そして、この小学生が使うリザードンの特徴は…」
オレ「フレドラ」
ロイ「ぶっぱ」
ロイ「なんとなく予想はついてました」
オレ「典型的なキッズらしいぶっぱスマブラだ」
ロイ「ワンパターンってことですね、それならよかったです」
オレ「だが気をつけてほしい。このフレドラぶっぱ4人対戦だと意外に厄介になる」
ロイ「どうしてですか?」
オレ「ほかのやつと対戦してるとき、いきなり失礼しま~すと言わんばかりのフレドラが突然やってくる。実際に対戦したらわかるが、本当にやっかいきわまりない」
ロイ「なるほど…」
オレ「まぁフレドラのSEが聞こえたら、注意して対応してくれ。ぶっぱゆえに自滅も多いから、こいつが一番先にいなくなる可能性が高い」
ロイ「わかりました」
オレ「そして、最後のひとりが使うキャラ…それはロボットだ」
ロイ「ロ、ロボットだって!?」
オレ「ああ。普通小学生は前者のように、素早い行動ができるゼロサムや、パワーキャラのリザードン、また、マリオやピカチュウといった看板キャラを使う確率が高いのだが、最後の小学生は赤いロボットを使っていた」
ロイ「ロボットって、どちらかといえばテクニックを必要とする玄人向けのキャラではないですか?」
オレ「ああ、そうだ。ゆえに、この小学生3人のうちPSが一番高いのはまちがいない」
ロイ「うーん、厳しそうです」
オレ「しかもやつのキーコンが…」
オレ「うんこマ○ーン」
ロイ「うわ!きたない!」
オレ「キーコンを設定しているところから見ても他の小学生より一枚上手ではあるが、こいつがロボット、いやスマブラに対して愛情があるかないのかでいったらよくわからない」
ロイ「そうですね…」
オレ「さて、これでオレが把握している情報はすべて伝えた。ロイ、あとは頼んだぞ」
ロイ「わかりました。真の戦いは、これからだ」
オレ「そうだ。ひとつ言い忘れたことがある」
ロイ「何でしょう?」
オレ「マスターボールがいっぱい出てくる」
ロイ「イーヤッ!」
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1512[47勝46敗]→1601[64勝55敗]
苦しい戦いだった…(結局一回も勝てませんでした)
こういうテンションだけで突っ走る文章好き 笑