立ち回りとは何かを考える。

注意:この日記はその単語で検索をかければどこにでも出回っているような情報を自分なりに噛み砕いて理解しやすくしたものを書き記すメモ帳のようなものを公開しているだけです。納得がいかなくても筆者は一切の責任を負いません。不快に感じたらすぐ回れ右。

立ち回り
キャラクターの動かし方や、試合の運び方の総称。対戦型格闘ゲームで駆け引きを楽しむための重要な要素である。(格ゲー.comより引用)


要するに立ち回り=そのキャラクターのできること全て(という解釈をしている)
そのできることを使って勝ちを目指すのが対戦ゲーム。

注目したいのは「立ち回りの強さ」というものの正体。
何となく使う「立ち回りが強い/弱い」という言葉、これは一体何だろう。

極端な例を挙げて考えていく。
ジャンプや歩き、ダッシュといった移動手段を持たず、技が一つしかないキャラで対戦する。
その技が波動拳のようにスタンダードな飛び道具だとするとどうなるか。
これはただの早打ち勝負、"如何にその飛び道具を素早く打てるか"という操作技術のみで勝敗が決まるゲームになる。

ここにもう一つ技を追加する。

その飛び道具を避けながら攻撃できる技をつけてみるとどうなるか。
その技しか使わなくなる、飛び道具を打つ理由がなくなるから。
飛び道具を避けられない技をつけてみるとどうなるか。
飛び道具しか使われない、飛び道具を避けられない技を打つ理由がないから。

技が一つ増えただけでは何も変わらないらしい。
では二つ増やすとどうなるか。
飛び道具を避けながら攻撃できる突進技と、その突進技を止めることができるが飛び道具には何もできない近距離技をつけるとする。

飛び道具を打つと突進技に負けるが、近距離技に勝つことができる。
突進技は近距離技に負けるが飛び道具に勝てる。
近距離技は突進技に勝って飛び道具に負ける。

以前書いた三竦みとよく似たものができた。
これならば一つの技だけで勝ちを目指す行為は破綻すると同時に、このゲームは操作技術が介入するじゃんけんになる。

この三竦みの関係を別の言い方にしてみる。
飛び道具は突進技に負ける→突進技は飛び道具に対する抑止力となる。
飛び道具は近距離技に勝てる→近距離技は飛び道具に抑止されている

飛び道具ともう一つだけしか技を追加しなかった場合には、この抑止力が片方にしか働いていないので一つの技を使う理由がなくなる。
三竦みは全ての行動に一定のリターンがあり全ての行動に一定のリスクがある。抑止力のおかげでどの技にも存在価値がある。
これがいわゆる「立ち回りが五分」というものだと自分は考える。
そして、この抑止力こそが立ち回りの強弱を決めるものであるとも考える。

当然、対戦格闘ゲームは上記で挙げた簡素なもの以上に多様な動きが可能である。
歩いたり走ったりジャンプしたり色んな技を使ったり。
余程のことがない限り、これらの行動全ては立ち回りに関与する。
そして、相手に与える抑止力の多さがキャラクターの立ち回りの強さとなる、と考える。

再び簡単な例を挙げる。
相手のルカリオ(200%)がステージの端っこ付近で波導弾を溜めている状態を想定する、この状態で反対側にいる相手は何ができるだろうか。
相手がルイージだとするとどうなるか。
ルイージの主力となる行動で考える。
FB→波導弾を打たれると一方的に潰されて負ける。
空中攻撃→打たれると潰されて負ける。
ダッシュ掴み→打たれると負ける。
主力とは別の裏択で考える。
回避行動→成功すれば勝てるかもしれない。
2段ジャンプ→勝てるかもしれない。
ダッシュガード→勝てるかも。

遠距離ではルイージは何もできず、近付いて仕掛けようにも波導弾が大きすぎて近づくことすら困難な状況である。
200%ルカリオの波導弾を溜めるという行動はルイージの主力行動の抑止力となっており、ルイージは必然的に回避やガード、2段ジャンプでの厳しい接近を強いられる。
それらを潰す択をルカリオが取り始めたらルイージは更にハイリスクなFBや空中攻撃を使わざるを得なくなる。そしてそれらの択は前述のとおり波導弾でいとも簡単に潰されてしまう。
というように、一応ルイージ側にもとれる選択肢はあり読み合いにはなるが、あくまでもルカリオ側の安定行動は波導弾溜めであるため、この試合の主導権はルカリオにあることがわかる。

では、相手がマリオだとどうなるか。
主力や裏択は大きく変化しないが、マリオには飛び道具を反射するスーパーマントという技がある。
これは波導弾への決定的な抑止力となる択で、何も考えずに波導弾を打つルカリオにはこれを振るだけで勝つことができる。
しかし、そうは問屋が卸さないのが対戦ゲーム対人ゲーム、逆に何も考えずにマントを振るマリオにはルカリオ側の他の行動が通るようになる。
そしてルカリオ側の他の行動を咎められるマリオのその他の行動があり、それを潰すためのルカリオの行動が…(以下ループ)
最終的にこちらも読み合いに発展するが、ルカリオ側が受ける明確な抑止力が一つ増えているため、少なくとも対ルカリオはルイージよりマリオの方が優れているといって差し支えはないだろう。

技の相性による抑止力はこんな感じになった。
また、裏択の部分で少し書いているが、移動手段も立派な抑止力となりうる。

再び同じ状況をルイージとマリオで、今度は移動手段を比較する。


地上:

走る速度や横回避に大きな違いはなく、普通に走ったり横回避で近づく場合に限りルカリオに接近するスピードは大きな差はない。
が、ルイージはマリオと比べてガード時のノックバックで滑りやすいという特徴がある。
ルイージが小さい波導弾をガードした時とマリオが少し大きい波導弾をガードした時のノックバックが同じ、つまり波導弾の回転率が変わってくる。まずここで差が生まれる。


空中:

空中移動速度は圧倒的にマリオが上なことは明白である。これによるメリットは何か。
同じ間合いでルイージとマリオがジャンプしてルカリオに近づくとする。
お互い技が当たる間合いなら差は生まれない。しかし、間合いが離れると移動速度の差からルイージの技は次第に当たらなくなる。
ルイージの技が当たらない=ルイージの技はルカリオの波導弾に対する抑止力とならない。


なので、ルカリオに働く”間合いによる抑止力”は移動速度の差からルイージよりマリオの方が大きい、となる。

移動速度が速ければ速いほど相手に与える抑止力は大きくなる」、感覚で何となくわかっている人は多いはず。
他にも「リーチによる抑止力」とか「判定による抑止力」とか色々あるけど、上に書いたものをその抑止力に置き換えればおk。

あらましはこれで終わり、ここでは立ち回りというものだけを考えているので、リターンとかリスクとかそういうものは一切度外視している。
強いとされるキャラは相手に与える抑止力が多くダメージの高い技、所謂「ローリスクハイリターン」なものをたくさん兼ね備えている。
弱いとされるキャラはこれとは逆に「ハイリスクローリターン」なものが多いので立ち回りというものが弱くなりがち。
壊しキャラは「ハイリスクハイリターン」な技ばかりなキャラのことで、スマ4にはこれに該当するパワー特化なキャラがものすごく多い。
なので立ち回りの実践値は最強クラスのキャラをのぞいてあまり機能してない、キャラランクを見ても納得できないことが多いのはこういう理由があると思う。

以上。


2017年7月9日 09時51分に投稿

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