ヒコクニン
「僕は有線なので、あのラグの原因はやはりそこの証人の方だと思います…」
ショウニン
「ちげぇよ!オレは有線だ。お前が無線なんだろ!!」
サイバンチョ
「二人ともここは神聖なる裁判所ですぞ。弁護人、本件に関して再度話を整理してもらえますか?」
ベンゴニン
「はい、状況記録を提出します」
状況記録
事件は真夜中の午前3時。スマメイトをしていた被告人と証人が1戦目途中、被告人があと一歩で勝利というところで証人がノーコンしラグによる攻撃はやめろとコメント。被告人は勝利手前でのノーコンに苛立ちを感じたものの、一からの再戦を提案。証人側も了承し再び始めから対戦することにしたが、今度は証人があと一歩で勝利というところでノーコンとなり被告人がエラーにより退出。その後、被告人が対戦部屋に戻らずさらにコメント欄へ何の返事もなかったため、対戦を続行することが不可能となった。証人側が本対戦での勝利の要求と被告人が無線であることを告発
サイバンチョ
「ふむ、これはエラーにより退出して戻らなかった被告人に非がありそうですな」
ショウニン
「だろ!?しかもオレさ、プロフの設定で『無線接続のプレイヤーとの対戦は許可しない』にしてるから、無線でやってるこいつは迷惑をかけた上に違反までしてるから確実に有罪だぜ」
ヒコクニン
「ち、違うよ…僕は本当に有線なんだ。でもあのときは、機械のトラブルがあって対戦に復帰できなくて…」
ショウニン
「機械のトラブル!?やっぱり無線だからそういうことになんだろーが!有線だったらそんなトラブルなんてあるわけねーよ!」
サイバンチョ
「両者意見が食い違ってますな、弁護人いかがですか」
ベンゴニン
「そうですね。当時の様子を尋問をする必要があると思います」
ショウニン
「尋問とか時間の無駄だって。悪いのは全部あいつなんだ!!」
サイバンチョ
「静粛に!それでは弁護人、尋問をお願いします」
-尋問開始-
~無線の原因はあいつ~
ショウニン
「まず、スマメイトへログインしてレーティング戦のアクティブ数がどれくらいいるか確かめたんだ。せっかくスマブラするのに対戦相手がいないと話にならないからな」
待った!
ベンゴニン
「スマメイトはふたつあります。WiiUと3DSのどちらにログインしましたか?」
ショウニン
「…は?何言ってるんだ?WiiUに決まってんだろ!」
ベンゴニン
「いやぁ、3DSスマメイトって答えてくれたら、事件が一発で解決になったのにな~って思いまして」
ショウニン
「なんだこいつ!?裁判長、このふざけた弁護士に何か言ってくれよ!」
サイバンチョ
「弁護人!!………つまりどうゆうことでしょうかな?」
ベンゴニン
「3DSであれば、オンライン接続するには無線でしかできません。それでひっかけの尋問をしようと思ったんですがダメでしたね」
ショウニン
「何言ってんだこいつ退廷させろよ!」
サイバンチョ
「静粛に!それでスマメイトには人がいたのですかな?」
ショウニン
「アクティブ人数は2人だった」
待った!
ベンゴニン
「それは過疎りすぎではないですか?」
ショウニン
「知らねーよ!オレに過疎ってる原因聞くんじゃねえよ!」
サイバンチョ
「静粛に!」
ベンゴニン
「本当にスマメイトへログインしたんですか?」
ショウニン
「当たり前だろ。なんだったら運営にログイン履歴があるか確認しろよ」
ベンゴニン
「それはのちょうさんの手をわずらわせるのでできません」
ショウニン
「は?何だって!?」
サイバンチョ
「静粛に!のちょう神はスマメイトを無償でしかもたったひとりで運営されているのです。余計な手間を増やしてはなりません」
ショウニン
「裁判長のあんたが"神"って、その運営とやらは一体どんな存在なんだよ」
ベンゴニン
「こうやって日記が書けるのも神のおかげです。あなたも感謝しなさい」
ショウニン
「お前ら一体さっきから何の話をしてるんだ。神だの日記だの意味不明なこといいやがって…」
ベンゴニン
「それで、アクティブ数が2人であることを見たあなたはどうしましたか?」
ショウニン
「対戦履歴見たらその2人がずっと連戦でやってるから何か入りづらくてよ。ただしばらくその様子を眺めてたんだ」
待った!
ベンゴニン
「分かりみが深い」
ショウニン
「だよなだよな!入りづれえったらないぜ!」
ベンゴニン
「何かオタクふたりで大好きなアニメの話をしていたら、いきなり『自分もそのアニメ見てるんだけど!』って割り込んでくる浅いアニヲタの気持ちに似ていますね」
ショウニン
「それはちょっと違う気がするぞ…」
サイバンチョ
「意義を認めます」
ベンゴニン
「そんな!」
サイバンチョ
「弁護人、ちなみにその話しているアニメというの何ですかな」
ショウニン
「(今の裁判に関係ねえだろ…)」
ベンゴニン
「メイドインアビスというアニメです」
サイバンチョ
「異議なしですな」
ショウニン
「おい、何だお前ら!」
ベンゴニン
「せっかくなので、このスマメイトの日記でアビスの良さについて語ってもいいでしょうか」
サイバンチョ
「う~ん…」
ショウニン
「う~んじゃねえ!ダメに決まってんだろ!いいからオレの話を聞けよ!」
ショウニン
「せっかくスマブラする時間もできたわけだし、ちゃんとLANケーブルを刺してWiiUの準備をして、レーティング戦で部屋を作って対戦相手を待つことにした」
待った!
ベンゴニン
「結局2人の対戦に割り込むことを決めたのですか、空気の読めない方ですね」
ショウニン
「うるせーよ!スマメイトはみんなもんだろうが!」
サイバンチョ
「静粛に!」
ベンゴニン
「そんな来ないかもしれない対戦相手を待つより、ガチ部屋にいってすぐに対戦した方がよかったのではないですか?」
ショウニン
「それも考えたけどよ、最近のガチ部屋はひどいもんだぜ。煽りプレイとかフリチとかガチ部屋連勝記録配信とか…」
ベンゴニン
「最後のは別に問題ないと思いますが」
ショウニン
「まぁ、ヒマなニートスマブラーはメイトに必ず現れると思ってよ、ずっと待ってたんだ」
サイバンチョ
「なるほど。それで対戦相手は来たのですかな?」
ショウニン
「すぐにきた、そこに座ってる被告人がな。多分オレと同じで募集のタイミングを見計らってたんだろうけどよ」
待った!
ベンゴニン
「すぐに来て良かったですね」
ショウニン
「まぁな、てか尋問とゆうより世間話になってる気が…」
ベンゴニン
「被告人も来るタイミングを狙っていたんですか?」
ヒコクニン
「いえ、たまたまログインしようと思ったら見たこともないすごく低いレートの人がいたので、興味本位で対戦しようと」
ショウニン
「裁判長!たった今オレ侮辱されたぞ聞いてたよな!今すぐあいつを有罪にしてくれ!!」
サイバンチョ
「被告人、言動には十分気をつけるように。このままだと、格下狩りという罪にも問われますぞ」
ヒコクニン
「そ、そんなぁ…」
ベンゴニン
「そしてふたりは対戦されたのですね」
ショウニン
「対戦始めたらラグが気になって途中でノーコンにした。その後再戦することになって、ラグもなくいい感じで対戦してたのに今度は相手がノーコンしてきた。おまけにエラーで落ちたらしく、部屋で待ってたんだが全然戻ってきやしない。コメントで何してるんだ?って聞いても応答なし。このまま対戦中止になるのは納得できなかったから、しばらく相手の応答があるまで待ってたけどやっぱり反応はなかった。しかもそんときオレの特製シフォンケーキを焼いてたから、ケーキの様子を見つつスマメイトのコメント欄を見つつでまじ忙しかった。これでケーキがこげてたら、そいつに材料代も請求するところだったが、まぁそこんとこはオレって優良プレイヤーだから全然気にしていないぜ。シフォンケーキってのは火加減が大事で、オーブンを一定温度まで上げるのに時間がかかるんだが、ちゃんと温度さえ間違いなければ…」
つきつける
電子レンジ
高周波の電磁波を当てて食品を加熱・調理する電気器具。
意義あり!
サイバンチョ
「判決を言い渡します」
無 線
待った!
サイバンチョ
「どうしたのですかな弁護人」
ベンゴニン
「すみません裁判長。実は最初から何かひっかかるものが…」
サイバンチョ
「もうこの証人に対する判決は下りましたぞ」
ベンゴニン
「はい、でも最後に聞きたいことがあるんです」
ショウニン
「何だよ。オレはどうせ電子レンジに反応しちまう人権のねぇ無線クズ野郎さ。笑いたきゃ笑えばいい!被告人を無罪にできて、弁護士様理想の結果で良かったじゃねえかよ」
ベンゴニン
「いえ、あなたではありません。被告人、私はあなたに確認したいことがあります」
ヒコクニン
「え、ぼ、僕ですか?もう判決も下ったので尋問はいいのでは…」
ベンゴニン
「1戦目はラグを感じた相手の意図的なノーコンがあった。でも2戦目は、あなたがエラーによる意図しないノーコンが起きた」
ヒコクニン
「そうですね。2戦目僕は劣勢でしたけど、故意にノーコンはしませんでした」
ベンゴニン
「機械トラブルによりエラーになったと言ってましたが、なぜ戻ることができなかったのでしょうか」
ヒコクニン
「急に僕の家のルーターがおかしくなってインターネットへつなげなくなりました」
ベンゴニン
「なるほど」
ヒコクニン
「何とかしようとがんばってみましたが、僕ひとりじゃ何もできなくその時間他に誰も起きてなかったのでどうすることもできませんでした」
ベンゴニン
「では、なぜその緊急事態を相手側へコメントで伝えなかったのでしょう?」
ヒコクニン
「えっと、それはスマホで連絡しようにもWi-Fi接続ができなかったからスマメイトへのアクセスもできなくなっちゃって…」
ベンゴニン
「ルーターが壊れても、Wi-Fiを使わずネットへつなげることができたはずです」
ヒコクニン
「えっと、それは…」
ベンゴニン
「あくまで私の推測ですが、ひとつの結論が頭に浮かびました。あなたはきっと…」
ヒコクニン
「……」
ベンゴニン
「……地震によって、被災されたのではないですか?」
ヒコクニン
「!!」
ベンゴニン
「真夜中のスマメイト、突然落ちたルーター、コメントできなかった理由、これらから推測すると先日起きた地震による影響かと思われるのですがいかがですか?」
ヒコクニン
「う、うぅ…」
ベンゴニン
「北海道で最大震度7の大規模災害、北海道全域で停電になったそうです」
ヒコクニン
「…」
ベンゴニン
「当然停電になると、電力がないためゲーム自体が起動できなくなりオンライン接続もできなかったことでしょう。また、北海道全域の停電のため、ドコモやソフトバンクなどといったモバイル通信会社も機能せず、電話やラインやネットなどの通信が一切使えなくなったはずです」
ヒコクニン
「…」
ベンゴニン
「大変だったでことでしょう。過去に例がないくらいの被災ですから」
ヒコクニン
「……」
ベンゴニン
「……」
ヒコクニン
「……」
ベンゴニン
「……」
ヒコクニン
「………はい。私は被災しました。この前の夜スマメイトをやっていたら、いきなり立てないくらいの強い揺れが起こって周りのものが倒れてきました」
ベンゴニン
「……」
ヒコクニン
「家族が集まってきて家の中は危険ということで外に出ました。だけど、街灯も信号機もまったくついてなくて一面真っ暗でした…」
ベンゴニン
「…今は大丈夫ですか?」
ヒコクニン
「はい、ライフラインも復旧して、ようやくスーパーやコンビニにも食べ物が置かれるようになりました」
ベンゴニン
「それは良かったです。ケガもなさそうで何よりです」
ヒコクニン
「すみません。こ、このことを話すのが怖くて、あ、あのときのことを思い出すのが怖くて、い、言い出せなくて………」
ショウニン
「そうだったのか。お前そんなことに…」
ベンゴニン
「…尋問は以上です」
サイバンチョ
「では、改めて判決を言い渡します」
ショウニン
「裁判長もういいんだ。オレを有罪にしてくれ…」
謝 罪
ショウニン
「しゃ、謝罪?有罪じゃない…?」
サイバンチョ
「お互い色々ありましたが、また仲良く対戦すればいいのです。そのために必要な言葉をあなたたちは知っているはずです」
ヒコクニン
「……」
ショウニン
「……」
ヒコクニン
「連絡しなかったり…本当のこと言わなくてごめんなさい!また、僕と、僕と対戦してくれませんか!?」
ショウニン
「オレのほうこそくだらないウソついて本当にごめん!そっちが落ち着いたらでいいから…オレのほうこそまた対戦してくれ!!」
サイバンチョ
「本日はこれにて閉廷!」
~~~~~~
1500(WiiUを今度親戚のうちから取り戻してきたい)
スマメイトをやっていたわけではないですが、実際に自分の地域が先日の大地震の影響を受けました
水が出なかったり部屋がめちゃめちゃになったりと色々ありましたが、それ以上に停電が2日間続いてそれを耐えるのが一番厳しかったです
いまでこそこうやって当たり前のようにスマブラとかやったりしてますけど、電気がないって本当に不便なんですね
あと、高校が休校になって自宅待機しているときに、ふとニンテンドーダイレクトが地震の翌日に放送されるの思い出して悲しみにくれてたんですが延期になっていました
そして、先週の朝ばっちり起きて見ました。しずえさん参戦らしいですね、どうぶつの森大好きなんでめちゃくちゃ楽しみです!
そしてあとから気づいたんですが、てっきりニンテンドーダイレクトは北海道だけ延期かと思ったら、全世界延期になったそうですね
その任天堂の心遣いが自分にはすごくうれしかったです
ありがとう任天堂。スマブラSP楽しみにしています
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