いつもと同じ、今日の帰り道。真っ暗だなぁと思いながら疲れきった足を動かしていた。
否、真っ暗ではなかった。
現代に完全な暗闇というものはすでにない。
概念的には夜であるが、未だ街には人工による太陽がひしめいている。
しかし真っ暗という単語から連想するのは黒色だろう。
色が見えるためには、「光、物体、目」という3つの条件が必要となる。
例えばリンゴが赤く見えるまでの手順は
1. リンゴが赤く見えるためには光が必要である。その光には、すべての色が含まれている。
2. 光がリンゴに当たったとき、リンゴは多くの光を吸収する。その中で、赤の光だけを反射している。
3. そして、その赤の光が私達の目に入る。
4. 目に入った光が脳に伝わり、脳が色を知覚し「このリンゴは赤い」と認識できる。
つまり、「リンゴの表面に赤色を反射する性質がある」だけでリンゴが赤色なわけではない。
今歩いている暗闇は、一体何色なのだろうか。
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