暇である。
雨の日のバイトほど暇なことはない。楽なのは良いことで気持ち的にも有難いのだが、割とホワイトな(少なくとも以前やっていた引越しのアルバイトよりはホワイトである…)店に勤めている身としてはお客は多いに越したことはない。
とはいえ、何かしらをしていないといられない性格のわたしには、暇という状況がバイトよりも苦痛である。
ふと横を見た。
そこには出汁を取った後の、捨てる直前のふやけた昆布が鍋を泳いでいた。
「昆布は、洗ったらどうなるのだろうか。」
そんな疑問がわたしの脳裏をよぎった。暇とは怖いものである。
わたしは3つのアイテムを用意した。タワシ、金物用の銀のスポンジ(以後銀スポと表記する)、普通のスポンジである。
この3つを使い、食器用洗剤で昆布を洗ってみることにした。
①タワシ
予想通り、これは失敗であった。
タワシの棘が昆布をいとも簡単に引き裂くだけでなく、千切れた昆布が隙間に入り込んでしまう。工夫して洗ってみようとしたが、団体客が来たので断念。
②銀スポ
タワシでの失敗を糧に、優しく洗うことを心がけた。なんと昆布は千切れることなく磨かれた。
しかしタワシ同様少しでも力を加えると破れてしまう上、優しく扱いすぎて昆布を洗っている感覚がしない。ただ表面を撫でているような、そんな虚無感だけが残った。一応洗うことはできた。
③普通のスポンジ
洗えた。
普通に洗うことができた。かなり力を入れて洗っても破けることはなく、しっかりと泡立ってくれた。また、昆布は片面がヌメリがあり片面は紙のような触り心地なのだが、ヌメリが若干取れているくらいにはしっかりと洗うことが出来た。
この3つの検証により、昆布はスポンジで洗うことが出来るという結果が導き出せた。恐るべしスポンジ。家庭のシンクに君臨し続けただけのことはある。捨てる昆布がある方には是非一度試してみてほしい。
わたしは何をやっているのだろうか。
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