プロフィール
「君さあ、礼儀ってものがわかってないんじゃないの? 僕はさ、最初に名乗ったと思うんだよね。どうして名乗ったかっていうと、それが人間関係を始める上で一番大事なことだから。どんな関係であっても、まずは自分と互いを知ることから始めなきゃならないわけじゃない? で、僕はこれでも気遣いができる方だから、なるべく誰とでも友好的に接したいと常々思っているんだよ。それに相手が照れ屋の可能性だってあるわけじゃない。仲良くしたいと思っていても、なかなか自分からは名前を名乗ることだって躊躇ってしまうみたいなね。そういう人に配慮する意味もあって、僕はできるだけ自分から名乗って、相手を安心させる土壌を作ってあげたいと思って行動してるわけ。もちろん、恩着せがましいそんなことを最初から誰にでもずけずけと明かすわけじゃないさ。でも、そういった意味合いがあって最初に名乗っているんだってことを、ある程度の年齢になるまで過ごしてきたなら察してほしいんだよね。っていうか察せるでしょ。それとも君、初対面の相手とは名乗らずに話し合うのが当たり前の生活してきたの? だとしたらそれってちょっと僕の常識感と文化が違うよね。それなら互いの感覚のすり合わせは必要だと思うけど、それならそれで誤解を生まないように前もって断っておくべきじゃないかな。そういった心遣いの一つもしないで当たり前みたいに相手の優しさに甘えるのって、ちょっと違くない? というより、それはもはや失礼に値するよね。失礼そのものだよね。礼を失するってことは、相手に対してその程度の価値しか見てないってことだよね。相手の価値を見損なうってことは、それはもはや相手の人生の、生き方の侵害だ。他者の権利の侵害だ。無欲で理性的な僕に対する、僕の権利の侵害だ」
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