8 最後になった初スマ前編~憧れの舞台でのたたかい~
かくして外の世界からの学びを得た僕は、初スマでおおよそ2年くらいかかって初めて予選を突破して(…の前に1回集計ミスで予選突破のはずだったのに事件がある。そのおかげでスコア表が良くなったら気にしてないのだが。みんなはちゃんと確認しよう。)本戦で極度の緊張で世界が回ってるように見える中負けた。(終わった後に脱水症状っぽくなってることに気づいた)
そして、結果的には最後の初スマVIP未満となる第39回へ。
メインのクロム、そしてクロム対策バッチリですよみたいなこと言ってきた人とキーコン偽名でフリーの時に僕と対戦した人にはデデデを出して破壊した。デデデは最強キャラ。
そして自分の所属する予選ブロックの配信台が始まるということで、誰にしようか?という時だった。
スタッフ「あなたは実力で配信に出てくださいよw」
僕「?」
スタッフ「スコア表見てくださいよ、今のところ全勝してるじゃないですか、予選抜け最有力候補ですよあなた。」
僕「マジだ…」
一戦一戦をしっかり戦おうと心がけている自分は、試合結果なんて全く気にしていなかった。たいてい3位か4位の自分は後で確認して予選通過ならいいやと思って最後に見るので、正直驚いた。
結果的に最後の試合は蹂躙され1敗したが、予選1位突破。予選通過は2度目、1位抜けは初だ。
だが、それよりも嬉しいことがあった。
応援していた選手が、予選2位通過したとのアナウンスが。
その選手は初スマほぼ常連になっていて、自分もよくフリーをした。他の交流会や初心者向け講習会などにも積極的に参加しているらしく、フリー対戦するたびに成長しているなと感じてはいたのだが結果は中々ふるわず。落ち込み気味なツイートも多かった。自分も初スマで知った人が自分より先に次々VIP入り報告、初スマ万年ビリ候補として過ごした時代が自分にはあったのでシンパシーを勝手に感じていた。
「マジか!やった!良かったじゃないですか!」と早速その選手に突撃した。外から見たら僕は不審者に映るだろう。嬉し涙で潤った目とマスク越しにもわかる笑顔でこっちが泣きそうだった。
自分より他人の結果のほうが喜ばしいとは、つくづく自分は競技者ではないのだと感じる。
決勝ラウンド、早速配信台。相手はめちゃつよスネーク。せっかく初の北の大空洞採用だし配信台だし〜と思って北の大空洞選択して見えないC4に翻弄されてあっさりルーザーズラウンドへ。バカ。
ルーザーズ1回戦、さきに書いた、ずっと応援していたその選手と戦うことに。
長らく苦労していた人がようやく決勝ラウンドへ行き、そして自分と戦う。フリー対戦じゃなく、負けたら終わりの真剣勝負の場だ。
「俺、本当にこの場で戦えるなんて嬉しい。キャラ選択は言わなくていい、分かりきってる。手加減はしない、全力で行く!」
デデデを使えば?という邪な気持ちを跳ね除け、メインのクロムを選ぶ。
試合開始。大ダメージ与えても怯んでくれない、こちらの隙を伺って撃墜しようという圧がつよい。技術面の成長もあるだろうが、それ以上に弱気な自分と決別した精神面の成長が大きいのだろう。
こちらも負けじと一瞬の隙をつき、結果2-0で勝利したが、どちらが勝つか分からない試合だったと思う。
ゲームセットの文字が見えた時、緊張がパッと消え、涙が出かけたので目頭をグッと抑えた。
自分が勝ったことではなく、苦労していたひとりのプレイヤーが自分の前に立ちはだかり、自分を越えようとしていた。その成長に感動していた。
「いろんなことを頑張って成長した、それがよく伝わった。本当に強くなったよ、俺本当に嬉しいよ。」そう伝えた。
目頭抑えながら熱弁する人になっていた。完全に不審者。
その選手は笑っていた。
負けた時、その選手はたいてい落ち込んでいた。
でも、その時は思いっきり笑っていた。
楽しくてスマブラやってるじゃん。
そうか、だから君は強くなれたんだ。
なぜ楽しくやると強くなれるのか?それはまた次回…
※なお、その後はロイクロムというもとになったモーション対ダッシュファイターの人気不人気ミラーでわからされて負け。
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