8.5 スマブラを「楽しむ」は強い。
なぜスマブラを楽しむことが強くなると僕が思っているのか。
一旦、プロ野球に話を逸らす。
2021年のプロ野球は東京ヤクルトスワローズが優勝した。
その原動力と言われている言葉がある。
“絶対大丈夫”
この言葉はグッズ化されるなど大きな反響を得たが、同時にこの言葉が魔法の言葉のように独り歩きしたようにも思える。
この言葉の根幹にあるのは何か?それを自分の解釈でここに記す。
その言葉が出てきた以下のミーティングの映像から。
ここの3:00からの言葉を引用する。
“絶対大丈夫だから。その根拠は、君たちが自分のことをしっかり理解して、君たちが、チームメイト、周りの、チームスワローズをしっかり理解してるから、絶対に崩れない。(中略)自分のことをしっかり理解して自分の足元をしっかり見つめて周りのチームメイトを信じ、このチームスワローズの一枚岩で行ったら絶対崩れることはない。絶対大丈夫。これはしっかり自信持ってください。”
動画前半、高津監督の選手時代の思い出から、試合前の準備をとことんやって、やれることはやった時に当時の野村監督からここまでやったら勝負は時の運やと言われた話、そして自分自身のことを理解していけは崩れないという話。そして”絶対大丈夫”
つまり、絶対大丈夫の言葉の後ろには”決戦の日までにやってきたこと”と”自分を理解する”と”崩れない”の3つがあると私は思っている。
全て話すと長くなってしまうので、このうちの”崩れない”に焦点を当てる。
面白い言葉である。
「勝てる!」でもない。
「負けない!」でもない。
「崩れない」である。
スマブラに話を戻そう。
僕が最も苦手とするのは、崩れない人である。
僕は相手の隙や行動などを読んでハイリスクハイリターンのワザを当ててケリをつけるスタイル。
“崩れる人”の特徴は、ロマンワザなどを当てたあと、間合い管理が引き気味になったり、着地狩りの横スマを出すのが早すぎて空ぶったり、崖掴まりが長くなったりする。これは、ロマンワザの幻影が頭の中に残って思考回路の邪魔をして、判断と入力タイミングが普段よりズレるからだと思っている。だから僕としてはたたみかけやすい。
“崩れない人”はロマンワザに当たっても立ち回りなどがいい意味で変わらない。なぜ当たったのか、相手は何を狙ってきたのか、なぜ行動を読まれたのかを冷静に分析できるからだろう。こうなるとたたみかけるのは難しくなる。
そして僕の経験則だが、この”崩れない人”はたいていスマブラを楽しんでいる。
勝てるから楽しいんだろ?と言う人も多いが、違う。
操作ミスで落下した時、ロマンワザで豪快に吹っ飛ばされた時、ふざけんなーと文句を言いつつもゲラゲラ笑っている。
全部を楽しむのだ。かくいう自分もそうである。
第二期公式大会東日本リーグ、僕が思うに、この”どんなことも楽しむ”をできるようになった選手がHIKARUさん。
第二期リーグの前半、HIKARUさんはアイテムやギミック、不運で撃墜された時に動きがやや慌て気味になっているように僕は感じていた。だが後半、事故ってストックを失ってしまった時に笑っているHIKARUさんがいた。(実況が「HIKARU選手はこんぶ選手から楽しむことをアドバイスされたそうです」と言っていた覚えがある)
アイテムなしのルールにおいてもHIKARUさんが躍進を遂げたのは、この”楽しむ”を覚えたからだと思う。
楽しんでいるから笑い飛ばして、切り替えて、冷静に自分を分析し、また立ち向かう。
“崩れない”の条件に”楽しむ”はある。
楽しもう。全てを。
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